アクアリウムをやってみたいと思っている方に向けて、水槽サイズの選び方について紹介していきます。
”初心者=60㎝水槽がおすすめ”ではない
まずはじめに、たまにネット上では”初心者には水質が安定しやすいから60㎝水槽がおすすめ”という情報がありますが、この考え方は正しいとは言えません。
水の汚れに関しては、適切な飼育数を意識して管理すれば水量に対しての糞や食べ残しなどの割合は変わりませんので、どのサイズも汚れやすさは同じです。
たしかに60㎝水槽で20匹の熱帯魚をするのと、30㎝水槽で20匹の熱帯魚を・飼育するのでは水の汚れ方は変わりますが、それはそもそも飼育方法が間違っているからであって、初心者におすすめであるかどうかは別問題となってきます。
実際に私も20㎝〜水槽以上の水槽をいくつも管理していましたが、全て1週間に1度のメンテナンス(水替え等)で問題なく、どの水槽も立ち上がってしまえば安定した水質を維持することができました。
したがって、初心者は60㎝水槽がおすすめという考えはあまり気にしなくて良いと思います。(どのサイズでも正しく管理するのは同じ)
水槽サイズ選びついて下記で解説していきますが、先に結論を伝えると、費用と管理の面から60㎝以下の水槽サイズが始めやすいですが、”自分の目的と性格に合っていればどのサイズでもOK”ということになります。
初心者の60㎝サイズ以上はデメリットが大きい
- 1回のメンテナンスが大変
- 費用がかかる
- 気軽にやり直しができない
1.1回のメンテナンスが大変
60㎝以上の大きい水槽サイズを管理したことによって、小型水槽よりも1回の作業量が増えてしまい結構大変です。
バケツやタンクに水を溜めて水替えをする場合は、重たい水を持って何往復もしなければならないため、時間がかかるだけではなく疲労度も大きくなります。
その点小型水槽の方が一回の作業量は少ないため、比較するととかなり楽にメンテナンスができます。
2.費用がかかる
水槽が大きい分、照明や水槽台、濾過フィルターなどのサイズも大きくなるため、必然的に数万単位で費用がかかってしまいます。
道具だけではなく中に入れる生体やレイアウト素材の量も増えてしまいますので、初心者の方が「ちょっとアクアリウムをやってみたい…」と思ったときの費用としては高くなり過ぎてしまうかと思います。
また、もしアクアリウムに慣れてより良い水槽にしていきたいと思ったときに、必ず”新しいLED照明欲しい”、”レイアウトを変えたい”となりますので、最初に買った器具が無駄になってしまう可能性が高くなります。
つまり、初めてやるにしても、ハマっていくにしても最初から大きめの水槽にすると費用がかかる可能性は高いということになります。
3.気軽にやり直しができない
水槽を作り直すことをリセット等と言ったりもしますが、大型水槽のリセットは本当に大変で、5,6時間以上かかることもあります。
そのため、慣れていない方はリセットするのもかなり大変な作業になります。
水槽選びに重要な2つのポイント
- どんな水槽にしたいか
- マメな管理ができるか
水槽サイズを選ぶ上で重要なのは、”自分がどんな水槽にしたいか”と”マメな管理ができるか”を確認することです。
どんな水槽にしたいか
ご自身が”大きい水槽で水草と熱帯魚をいっぱいにしたい”と思っているのであれば大型水槽にし、”部屋のインテリアとして小さく管理したい”と思うのであれば小型水槽にしていいと思います。
ただ、生物を大切に扱い、お金も無駄にならないようにするには、事前に飼育方法や管理方法、おすすめの道具などを調べておくことが非常に重要です。
このブログでは、私が実際に経験してきた「安物買いの銭失い」を皆さんが経験してしまわないように、水草が育つLED照明や管理方法などの記事も記載していますので、右上の検索機能やカテゴリーを活用してご参照いただければと思います。
マメな管理ができるか
アクアリウムでは、綺麗な水槽を維持したり生体を元気に育成したりするために、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。
環境によって頻度は違いますが、目安として1週間に1度はメンテナンスを行うようにすると綺麗な水槽を維持しやすいです。
マメな管理ができる方は、正しい知識と経験があればどの水槽サイズでも上手く管理していくことができ、逆にマメな管理がちょっと苦手という方は、1回の作業量が少なく、週に1回30分以内の作業で管理できる30㎝以下の小型水槽が良いかと思います。
自分の目的と性格に合ったサイズを選ぶ
- 20㎝水槽(20×20×20㎝)
- 30㎝水槽(30×30×30㎝)
- 45㎝水槽(45×30×30㎝)
- 60㎝水槽(60×45×45㎝)
- ボトルアクアリウム
ここまで水槽サイズを選ぶための考え方を解説してきましたが、ここからは具体的に各サイズ・種類の水槽についてと特徴を紹介していきます。
20㎝水槽
20㎝キューブ水槽であれば、掃除面積や水量がかなり少ないため非常にメンテナンスが楽になります。
重量も軽いため、専用水槽棚を使用しなくても配置ができ、インテリアとしても扱いやすいサイズとなっています。
その分、生体数や水草の種類に限りがあるため、ベタの1匹飼い等がおすすめです。
コケ対策としてエビの飼育をおすすめしますが、他にコケ取り生体がいますので詳細は下記をご参照ください。
おすすめ濾過フィルター
GEXの商品に”ピコロカ”という底面フィルターがあり、使用時は一本の黒いパイプしか見えず、外観を壊さずに濾過を行うことができるため、スペースが狭い小型水槽におすすめです。
底部分に取り付けて濾過能力を上げるベースフィルターの取り外しも可能で、水草が多く根が絡んでしまいそうな場合は取り外して使用したほうが良いかと思います。
ベースフィルターを取り外すと濾過能力は下がりますが、水流は問題なく作り出すことができますので、下がった濾過能力の分はメンテナンスで補うようにしてあげましょう。
30㎝水槽
- エンゼルフィッシュ2,3匹+ヤマトヌマエビ5匹
- グリーンネオンテトラ10匹+グローライトテトラ6匹++ヤマトヌマエビ5匹
- ビーシュリンプのみ
30㎝キューブ水槽では、20㎝水槽に比べて重量もかなり上がるため、可能であれば専用水槽台の使用を推奨します。
30㎝あれば育成できる水草の種類も増え、メンテナンスも楽です。
ビーシュリンプやチェリーシュリンプなどに魅力を感じる方は、シュリンプ水槽にしてしまうのもありです。
おすすめ濾過フィルター
30㎝水槽には、信頼の高いエーハイムシリーズ”クラシックフィルター2213”と”スピンパイプ”の組み合わせがおすすめです。
非常に濾過能力が高く、水槽内ではパイプ分のスペースしか取らない外部式フィルターは、水草水槽との相性も抜群です。
2213だけでは水流が強すぎてしまいますが、スピンパイプと併用することで適した水流にすることができますので、2213とスピンパイプはセットで使用しましょう。
スピンパイプはガラス製で、見た目もおしゃれになりますよ。
45㎝水槽
- ネオンドワーフグラミー5匹+ヤマトヌマエビ10匹
- エンゼルフィッシュ3,4匹+ヤマトヌマエビ10匹
- グリーンネオンテトラ10匹+エンゼルフィッシュ2匹+ヤマトヌマエビ7匹
45㎝水槽になれば、本格的な水草水槽にすることもできます。
飼育できる生体数も増え、生命力を感じる水槽になるかと思います。
おすすめ濾過フィルター
45㎝水槽には、エーハイムの”クラシックフィルター2213”と”リリィパイプ”の組み合わせがおすすめです。
先に紹介したスピンパイプよりも少し水流が強いガラス製のパイプで、見た目も異なります。
45㎝水槽でも2213単体での使用は若干水流が強いですので、リリィパイプで調整した組み合わせがおすすめです。
60㎝水槽
- グリーンネオンテトラ15匹+ネオンドワーフレインボー8匹+エンゼルフィッシュ4匹+サイアミーズフライングフォックス2匹+ヤマトヌマエビ20
- ディスカス等の好きな熱帯魚
水槽サイズには奥行きや高さが違うものもありますが、本格的にレイアウトを組んでやりたいという方は、奥行きと高さが45㎝ある60㎝水槽(60×45×45)がおすすめです。
横が60㎝に対して奥行きが30㎝しかないと意外とレイアウトが組みにくいため、水草や流木、石などを使って本格的な水槽にしたい方は奥行きと高さが45㎝あるタイプが使いやすいです。
メンテナンス時間は、だいたい30分〜1時間前後だと思います。
おすすめ濾過フィルター
60㎝水槽におすすめのフィルターは、エーハイムの”クラシックフィルター2215”と”リリィパイプ”の組み合わせです。
リリィパイプのデザインで見た目がおしゃれになるのはもちろん、2215のろ材容量はかなり多く、かなり性能が高いフィルターとなっています。
ボトルアクアリウム
20㎝水槽と同じような管理になりますが、ボトルアクアリウムの方がインテリア性が高く、近年人気も高くなっています。
おすすめ濾過フィルター
20㎝水槽と同様に、ボトルアクアリウムには場所を取らないGEXの”ピコロカ”がおすすめです。
強い水流が苦手なベタなどであればフィルターは不要という考えの方もいますが、濾過フィルターを使用した方が止水域がなくなり、水質の悪化を防ぐことができますので、可能であれば濾過フィルターや水流を生む器具を使用するようにしましょう。
外観を損ねないピコロカは水流調整も効きますので、ボトルアクアリムとの相性はピッタリです。
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