コケ対策として一番に名前が挙がるほど優秀なヤマトヌマエビの飼育方法や繁殖などについて紹介していきます。
ヤマトヌマエビ
学名:Caridina multidentata
ヤマトヌマエビは日本の河川やインド太平洋に生息するエビです。
コケ対策としても高い効果を発揮し、多くのアクアリストに重宝されています。
体色は半透明で黒い斑点模様がついています。
また、ヤマトヌマエビは水質の変化にも弱いため、水質が合わないときなどは白く濁った色になります。
そのため白濁色のときは、体調を崩している可能性が高いと判断できます。
水合わせ時に水質が合わないと、白濁色の状態で水面に向かって水槽内を激しく動き回ったりもします。
初心者の方には、水合わせや飼育が難しく感じるかもしれませんが、バクテリアが繁殖し、しっかりと立ち上がった状態の水槽で水合わせをすれば☆になることも少ないでしょう。
寿命
約2~3年。
5年以上飼育したという人もいるようです。
ただ、ヤマトヌマエビは、ホースを伝って水槽外に脱走したり、pHショックで☆になってしまうこともよくあるため、注意しなくてはいけません。
体長
約5㎝程であり、メスのほうが一回り大きいです。
餌
ミナミヌマエビと同じ雑食性であり、主に水槽内のコケや熱帯魚の食べ残しを食べる為、特に餌を与える必要はありません。
ただ、コケが全くない水槽では餓死してしまうため、餌与えたり、ウイローモス等の水草を入れておくなどの対策が必要になります。
ヤマトヌマエビは脱皮した殻などを食べたりもします。
水質
高温と水質の変化に注意し、水温は28度以上にならないようにしましょう。
また、ヤマトヌマエビは糞の量も多いうえに、アンモニアや亜硝酸塩などにも弱いため、こまめな水替えを行いましょう。
糞や餌の食べ残しなどが微生物によって分解されることで発生する有毒なアンモニアなどですが、ろ過バクテリアによりアンモニア→亜硝酸塩→硝酸塩と変化していき、有毒性も低くなっていきます。
混泳
基本的には混泳向きですが、コリドラスなどの低層で生活する生体と餌の取り合いを始めるため相性が合わない生体もいます。
タブレット型の餌をあげると、ヤマトヌマエビは餌を抱えて独り占めしたりしてしまいます。
繁殖
ヤマトヌマエビの赤ちゃんであるゾエア幼生(成長すると稚エビになります)を育てるためには汽水を必要とし、餌不足にもなりやすいという2点から、繁殖は非常に難しいです。
ペアで飼育しておけば、簡単に抱卵しますが、ミナミヌマエビのように水槽内で放置しておくだけでは繁殖はしません。
繁殖させるのコツは、繁殖用の水槽を用意し、稚エビの餌となる植物プランクトンが豊富なグリーンウォーターを作ることです。
ヤマトヌマエビの繁殖は多くの人が失敗するほど難易度は高くなっていますが挑戦する価値はあるでしょう。
高いコケ取り能力
ヤマトヌマエビはコケ取り能力が高く、体の大きさからもミナミヌマエビ5.6匹分の効果は発揮してくれます。
ただ、その分糞の量が多かったり、水槽のガラス面のコケを食べるのが難しいなどのデメリットもあります。
また、一番の問題は食害です。
固い葉の水草であれば、特に大きな影響は受けませんが、他の水草はヤマトヌマエビに食べられてしまい、美しい水草水槽を壊してしまうことがあります。
60㎝の水草水槽に10~20匹を投入してしまうと、最初は良いですがコケが落ち着いて頃に食害が始まり、ヤマトヌマエビを持て余してしまうこともあるでしょう。
コケが蔓延した水槽であれば、問題ありませんが、大抵はコケを食べ尽くすことになり、水草を食べたりし始めます。
個人的には、早期のコケ対策はヤマトヌマエビ、コケの予防には食害が少ないミナミヌマエビがおすすめで、ミナミヌマエビの中に、ヤマトヌマエビを1.2匹飼育するというのもありかと思います。
その他の優秀なコケ取り生体についてはこちらをご参照ください。
コメント