毎週あるいは常にコケの発生に悩まされている方に向けて、水槽にコケを生えなくさせるための管理方法やコケが生える原因などを解説していきます。
コケが生える主な原因
- 余分な栄養が多い
- 止水域(淀み)がある
- バクテリアが定着していない
- 熱帯魚等の糞や餌の食べ残しが多い
- 枯れた水草などを放置する
- フィルターが汚れている
コケには茶ゴケや糸状コケ、藍藻類、黒髭ゴケなど多くの種類があり、それぞれ発生しやすい条件などが異なりますが、基本的にソイルや熱帯魚たちの糞、餌の食べ残し、枯れた水草などによる栄養や汚れが溜まっていくとコケが発生しやすくなります。
細く考えると難しいですが、簡単にまとめると「水中の栄養を減らす」「しっかり掃除を行う」というのがメインになり、具体的な方法については下記で詳しく解説していきます。
具体的な5つのコケ対策方法
- 水中の栄養と消費のバランスを取る
- コケ取り生体を飼育する
- バクテリアを活性化させる
- 濾過能力の高いフィルターを使う
- 掃除をしっかり行う
まずコケが全く生えない水槽を作り出すことが可能かどうかについてはほぼ不可能であり、どんな綺麗な水槽でもコケ取りメンテナンスを行なって綺麗な状態を保つようにしています。
ただ、下記で解説していく対策を正しく行うことで、限りなくコケの発生が少ない水槽を作り出すことができますので、コケにお悩みの方は参考にしていただければと思います。
1.水中の栄養と消費のバランスを取る
水中の栄養とはソイルなどから発生する栄養や餌の食べ残し、生体の糞などを指し、これらの栄養がコケの成長に消費されることでコケが大量発生していきます。
では、その栄養をどうすれば良いかというと、「換水」と「水草育成」の2つを実施することでコケに消費される栄養が減少し、コケ被害が改善されます。
換水は即効性がありますが、またすぐに栄養が溜まっていってしまうため、水草を育成してあげる方がより大きな効果を期待できます。
栄養はコケより水草の方が早く消費するため、理論的には「水草の栄養消費量 = 水中内の栄養量」になればコケの発生はかなり減少させることができます。
この栄養消費量のバランスを”=”に保つことが、コケを発生させない水槽作りにおいてかなり重要なポイントとなってきます!
そのため、画像のようなコケが発生したときは「水草の栄養消費量成長 < 水中内の栄養量」になっているということですので、成長が早いロタラ等の水草をたくさん育成してあげると、コケの発生が抑えられます。
ただし、水草が不調の場合にも栄養消費量が減ってしまうため、その場合は水質改善などの対策が必要になります。
「水草を育成したいけどどんな種類があるかわからない」という方は、下記記事でサイズごとにおすすめの水草を紹介していますのでご参照ください。
また、より多くの栄養を消費させるには、水草の光合成を効率よく行わせてあげる必要があり、高性能LED照明・CO2添加・液肥添加の3つが非常に効果的です。
高性能LED照明
水草をより元気に育成するには照明の明るさや波長などが重要となり、照明の性能による成長の差は大きく変わります。
直射日光はさらにコケを発生させてしまいますので、LED照明等で管理するようにしましょう!
おすすめは水草育成に特化したコスパ最強の”アクロ トライアングル グロウ”か水草の育成はもちろんアプリによる調光やタイマー設定が可能な超高性能”WRGB2”です。
その他にも下記記事では、実際に使用してきた経験を活かして水草水槽に対して本当におすすめできるLED照明を厳選していますので、ぜひご参照ください。
CO2添加
光合成に必要なCO2添加を行うことで、より光合成を活発化させてくれます。
CO2添加と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、道具を順番に接続するだけなので実はそこまで難しくなく、事前に調べておけば初心者の方でも十分導入できます。
CO2添加にかかる費用や道具、使い方などは下記記事で解説していますのでそちらをご参照ください。
液肥添加
「栄養を減らしたいのに逆に液肥添加しちゃうの?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、自然発生しないカリウムなどをバランスよく添加してあげることで水草が元気になり、より水槽内の栄養も多く消費してくれることに繋がります。
水槽の状況によっては液肥添加をストップさせた方が良い場合もありますが、普段の管理では水草を元気に育成させてコケを抑制させるようにした方がコケが生えにくい水槽になります。
ただし、カリウムを過剰に添加しすぎるとマグネシウムなどの栄養素が吸収されなくなり、水草が不調に陥ることで結果的に水槽内のコケも増えてしまうということもありますので、栄養は量ではなくバランスが重要となります。
少し難しい話になってきて、管理も難しいように感じてしまうかもしれませんが、”エレメントカラー グリーンA”という液肥を使用すれば、初心者の方でも簡単にバランスの取れた液肥添加ができますので、詳しい内容については下記記事をご参照ください。
2.コケ取り生体を飼育する
- ミナミヌマエビ
- ヤマトヌマエビ
- チェリーシュリンプ
- オトシンクルス
- オトシンネグロ
- タイガープレコ
- サイアミーズ フライング フォックス
- シルバーフライングフォクス
- イシマキガイ
前述した「水中の栄養と消費のバランスを取る」を実施できれば、かなりのコケが抑制されるようになりますが、さらにコケ取り生体を飼育することで綺麗な見た目の水槽を維持しやすくなります。
コケ取り生体がどれほど優秀かと言うと、例えばヤマトヌマエビを飼育することで予防はもちろん、下記画像のような完全除去が面倒なアオミドロもあっという間に綺麗になります。
流木や石、水草などに付いたコケは人間の手で取るのが非常に難しいですが、コケを食べる生体であれば綺麗に除去することができるためコケ取り生体の飼育はかなりおすすめです。
3.バクテリアを活性化させる
バクテリアには生体にとって有害なアンモニアを毒性の少ない亜硝酸塩、硝酸塩と分解していく働きありますが、バクテリアによる生物濾過が機能していないと亜硝酸塩が多く残ってしまい、茶ゴケが多く発生してしまいます。
水槽立ち上げ初期に茶ゴケが発生するのはこのバクテリアが少なく、アンモニアや亜硝酸塩の分解がうまくできていないためであり、立ち上げ後も茶ゴケが発生してしまう場合には”水槽の状態が良くない”可能性があると判断できます。
そんなバクテリアを増やすためには”バクテリアの住処を作る”ことと”エアレーションを行う”ことが効果的で、砂利やソイルを轢いたり、ろ材がたくさん入った濾過器を使用することでバクテリアが定着しやすくなります。
また、エアレーションは気泡が細い拡散器を使うことで効率的に酸素供給ができ、バクテリアを活発化させることができますので、エアレーションはしっかり行うようにしましょう。
極小の気泡が出る”アンビリーバブル”とエアー量が調整できるポンプ”水心”を使用すれば、多くの人が悩む水はね問題を改善しつつ効果的なエアレーションができるようになるためおすすめです。
4.濾過能力の高いフィルターを使う
外部式フィルターなどの濾過能力が高いフィルターを使用することで物理濾過・吸着濾過・生物濾過が行われ、さらには水の流れをしっかりと出して”淀み”を作りださないため綺麗な水質を維持しやすくなります。
また、外部式フィルターには”外観を損なわない”・”静音性が高い”などの特徴もあり、かなり性能の良い濾過器となっています。
その中でもエーハイムシリーズの外部式フィルターは人気や信頼性が高くなっており、下記記事では水槽サイズごとにおすすめの機種を紹介していますのでご参照ください。
5.掃除をしっかり行う
水槽という自然界に比べてあまりにも小さい容器では、生体の糞や餌の食べ残し、枯れた水草やバクテリアの死骸などがどんどん溜まってしまうため、こまめな掃除が必要となります。
コケが生えにくい環境を作るには、ただ換水するだけではなく、底砂に溜まった汚れも取り除く必要があるため”プロホース”を使って汚れも一緒に吸い上げて換水する必要があります。
掃除の頻度は、換水が1週間に1,2回、フィルターの掃除が〜6ヶ月に1,2回(コケや油膜、臭いの発生などを確認しながら判断する)を目安に行うと良いでしょう。
水槽掃除はかなり大変な作業になってきますので、モチベーションを保つためにもいかに無駄がなく効率的なやり方をするかが大切になってきますよ。
水槽壁面の苔は物理的に落とす
水槽壁面に生えてしまった苔は物理的に落とすしかありませんが、スクレーパーを使えば手を濡らさず、綺麗にコケを落とすことができるため、まだ使用していない方は絶対に持っておいた方が良いアイテムとなっています。
黒髭ゴケを1ヶ月で完全消滅させた方法
黒髭苔は苔取り生体でもなかなか除去できず、見た目も悪いため厄介な苔として扱われています。
黒髭苔は物理的にも取り除いても、すぐ新しい黒髭苔が生えてきてしまうため環境を改善させる必要があり、実際に私が実践した方法では1ヶ月で黒髭苔を完全消滅できました。
詳しいやり方については下記記事をご参照ください。
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