水草レイアウト・管理水草の不調

【水草の成長が遅い⁉︎】不調や枯れる5つの原因を徹底解説!

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この記事では、水草の調子が悪く、成長が遅い等の不調原因やその解決策を解説しています。ミクロソリウム等の陰性植物がうまく育たない方やネットで色々調べたけど水草の不調が解決しなかったという人も1度参考にして欲しい内容となっています。

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水草が育つ環境

まずはじめに、水草が育つための環境を作るには、十分な光量・CO2添加・栄養・水質・水温の5つが重要になってきます。

この5つのどれか1つがうまくいっていないだけで、水草の調子が悪くなってしまいますので、しっかりコントロールしてあげる必要があります。

それでは早速、水草が育つために必要な十分な光量、CO2添加、栄養、水質、水温の5つについて解説していきます。

①光量

LED照明:ソーラーRGB

水草は光合成を行って成長するため、十分な光量を与えることが大切になってきます。

今は高性能なLED照明がありますのでなるべく費用を抑えつつ、水草を元気に成長させることが可能になってます。

陰生植物は光量が少なくても良いんでしょう?という方もいると思いますが、たとえ陰生植物であっても光合成は変わらず行いますので、元気に育成するには十分な光量が必要になります。

②CO2

植物の光合成はCO2を使って行いますので、水中内のCO2は不足がちになってしまいますが、CO2ボンベ等を使って水中内にCO2を添加してあげることで、より活発に光合成を行ってくれるようになります。

それにより、水中の栄養を使いながら水草が元気に成長していってくれます。

③栄養

水草の成長には、三大栄養素と呼ばれる窒素・リン・カリウムはもちろんですが、その他の微量元素等も大切になってきます。

水草の育成には、栄養が含まれているソイルの使用が必須とも言えますが、美しい水草を育てるにはさらに液肥などの添加が必要となります。

特にカリウムなどは自然に発生したりしないため、液肥などで水中内に添加してあげると水草の調子が良くなります。

ただし、栄養を入れてあげたから水草の調子が必ず良くなるというわけではなく、他のが条件が揃って”栄養を使える状態”になっていなければ効果はあまり得られません。

④水質

硬度が高く、水草が不調なときの水質
水質解説理想数値※
pH(水素イオン濃度)数値によって酸性~アルカリ性を示す6.0前後(弱酸性)
KH(炭酸塩硬度)この数値が低いとpHが下がりやすい3°dh以下
GH(総硬度)軟水・硬水の判断3°dh以下(軟水)
NO2(亜硝酸塩)生体に有害な物質0mg/Lに近い程良い
NO3(硝酸塩)NO2が分解されたもので毒性は下がる0mg/Lに近い程良い
CL2(塩素)水道水に含まれており熱帯魚やバクテリアに有害0mg/Lに近い程良い
※一部水草の種類によって好む数値が変わります。例えばキューバパールグラスは高硬度を好みます。

熱帯魚などの生体だけではなく、水草にとっても水質は重要になってきます。

多くの水草は”弱酸性”の”軟水”を好みますので、pHとGHの値に注意して管理していくと水草の調子を上げることができます。

また、水質には硬度が高いとpHが下がりにくいなどの関係性もあります。

kaido
kaido

水質のチェック方法には水に1秒浸けるだけで確認できるテトラの試験紙があり、複数の項目を安価でできるので、手軽に行う方法としておすすめですよ。

⑤水温

水草を育成する上で、水温は22~28度が適温とされており、水草の種類や環境に合わせて水温を調整します。

この範囲外の水温になると成長速度が遅くなったり、病気のリスクが増えたりしますので室温で管理できない場合は、夏は水槽用クーラーや冷却ファン、冬はヒーター等を使用しましょう。

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水草が育たない時の原因と対策

先述した水草が育つ環境と反対のことが起きると、水草は育ちが悪くなってしまいますので具体的にどんな原因があるのか解説していきます。

①光量不足と光量過多

光量不足

水草の育成には光量が非常に重要であり、光量不足だと下記のような症状がでます。

  • 成長速度が遅くなる
  • 葉が小さくなる
  • 色が薄くなる

改善のためのLED照明として、グロッソスティグマなどの前景草を匍匐させたり、赤系の水草をより赤くしてくれるアクロ トライアングルグロウか、しっかりと水草を育てることはもちろん、スマートフォンアプリによって発光強度やタイマー調整ができるChihiros WRGB2がおすすめです。

どちらも愛用していますが、水草の成長もよく値段以上の働きをしてくれる高性能LED照明です。

アクロ トライアングルグロウ
Chihiros WRGB2
Chihiros LED WRGB2の特徴
  • RGB素子LEDチップを採用(生体や水草等を鮮やかに見せてくれます)
  • 専用アプリで発光強度が調整可能
  • タイマー機能搭載で点灯・消灯の設定が可能
  • タイマーにより、徐々に好きな明るさに変動することが可能
光量過多

逆に強すぎる照明は、葉焼けを起こしたり、水草の成長阻害を起こしてしまいます。

  • 成長阻害を起こす
  • 葉焼けする

ウィローモスなどは比較的育てやすいことで有名ですが、実は強い照明が苦手なため茶色くなって上手く育たない場合は照明が強すぎる可能性があります。

対策としては、水草を低い位置や流木などの影になる位置に移動したりする方法と、吊り下げ照明にして水草と照明との距離を確保する方法があります。

吊り下げ照明に関しては、下記の記事でメリット・デメリットを解説していますのでご参照ください。

②CO2不足

光合成によってCO2が消費されると、水中内のCO2が不足してしまい、水草が活発に光合成を行うことができなくなってしまいます。

ただし、CO2添加を行わないと成長速度が遅くなったり色味が変わったりするなどの変化はありますが、CO2添加をしていないから枯れるということありません。

とはいえ、美しい水草に育てるためにはCO2添加は必須ともいえますので、まだCO2添加していないという方はぜひ導入をおすすめします。

添加方法には小型ボンベと大型ボンベがあり、基本的には大型ボンベをおすすめしますが、30㎝水槽などの小型水槽であれば、小型ボンベも良いと思います。

③栄養不足

ポゴステモン・ヘルフェリーの白化

水草水槽には栄養がある”ソイル”の使用はほぼ必須で、ソイルの栄養が足りなくなったりすると、以下のような症状が現れます。

  • 水草の色が薄くなったり白っぽくなる(白化)
  • 成長が遅くなる
  • 全体的に小さくなる

対策としては、栄養豊富なソイルの使用液肥の添加があります。

ただし、水草が育つ環境が揃っていないと(水温が低すぎたり、水質が合っていない等)、栄養豊富にしても効果がなく、むしろ苔がひどくなってしまうこともありますので注意しましょう。

栄養素には拮抗作用があり、一部の栄養が多過ぎると他の栄養素が欠乏してしまうことがあります。

例えば液肥添加などによってカリウムが過剰に多くなると、マグネシウムやカルシウムなどが欠乏状態になってしまい、逆にマグネシウムが多いとカリウムが欠乏状態になってしまいます。

その結果、水草の調子が大きく崩れてしまいますので「栄養はバランスが大事」ということも覚えておきましょう。

おすすめのソイル

①アマゾニアソイル

水草を元気に育てる目的であれば、おすすめするソイルはADAのアマゾニアソイルです。

立ち上げ当初は水が濁ったり苔が発生したりするため、こまめな換水などの管理が必要になり、初心者の方にはやや難しいかもしれませんが、栄養の多さでは文句のないソイルになっています。

注意

アマゾニアソイルと似たソイルにADAのアマゾニアソイルVer.2というものがありますが、 Ver.2は栄養が控え目になっていますので、間違えないように注意しましょう。

②リベラソイル

デルフィスが出すソイルで、窒素や微量元素なども多く含まれています。

  • 窒素や微量元素など水草に必要な栄養がしっかり入っている
  • ソイルが崩れにくく、通水性が高い
  • 長期間に渡って水草が元気に育つ
  • 多くの水草が好む弱酸性・軟水にする

十分な栄養が含まれ、長期間好調を維持しやすいためとても使いやすいソイルとなっています。

③トロピカ アクアリウムソイル

トロピカ社がリリースしており、栄養価が高く、信頼性の高いソイルです。

  • 天然の土壌により、魚やエビ、水草にとって自然な環境を作る
  • ソイル単体のみで使用できると謳うほど栄養が含まれている
  • 多くの水草が好む弱酸性・軟水にする

リンや窒素などもしっかり含まれており、他の肥料を追加しなくても十分に使用できる性能の高いソイルとなっています。

液肥添加

液肥にはいろんな栄養素の種類やメーカーがありますが、おすすめは水質に影響を与えず、水草の育成に重要とされる3大栄養素(窒素・リン・カリウム)やカルシウム、ビタミンC、マグネシウム、鉄、亜鉛、モリブデン等が理想的に配合された”エレメントカラーグリーンA”です。

コスパも非常に良い液肥となっておりますので、詳しいエレメントカラー グリーンAの詳細はこちらをご参照ください。

④水質が合わない

ルドウィジア・スーパーレッド

水草にとって水質は非常に重要で、水草は弱酸性の軟水を好む種類が多いですが、逆にpHや硬度(GH)が高くなると調子を崩してしまいます。

pHや硬度が高いと、絶対に水草が育たないというわけではありませんが、写真のように硬そうな葉になり、美しい状態にはなりません。

「CO2添加を行い、栄養も十分にあり、光量もしっかりある照明を使用しいるのに調子が悪い」といった方は、水質が原因であることを疑い、測定を行いましょう。

測定した結果、pHが高かったり、GHが5°dh以上あった場合には不調の原因に水質が絡んでいるのはほぼ間違いないでしょう。

では、ソイルを使っているのになぜpHとGHが高くなってしまうのかというと「水道水のpHが高い」、「pHやGHを上げる材料(石や底床等)を使用している」などの理由が考えられます。

pH対策

  • ソイルを使用する
  • pH調整剤を使用する

ソイルには、水質を弱酸性に傾ける働きがありますので、栄養面だけではなく、水質面でも水草との相性は抜群です。

ただし、弱酸性に傾ける働きは数カ月で失ってしまうのが一般的ですので、その点を把握して水質管理を行っていきましょう。

また、一部地域の水道水ではpHや硬度が高く、換水によって調子を崩してしまいます。

そのため、換水時にはカルキ抜きと同じようにpH調整剤を使用して水質を調整すると良いです。

硬度対策

  • 硬度を上げる石や底床を使用しない
  • 硬度が高い地域では換水を控える

硬度が高い時の1番の対策は、硬度が上がる原因を行わない事です。

硬度が上がる原因は、石や砂利、サンゴ、貝殻等を使用している場合や、水道水のpH・硬度が高い地域で換水を行う場合に多くあります。

硬度を上げる石を使ってレイアウトを組むと管理がかなり難しいため、どうしても石組レイアウトをやりたい場合には硬度をあまり上げない石を使用しましょう。

硬度を大きく上げる石
  • 龍王石
  • 青龍石
  • 昇龍石
  • 青華石 等

上記で挙げた水質に大きな影響を与える石以外であれば、大量に使わない限り水草を上手く育てることができますが、個人的に水質への影響の少なさとデザイン性からおすすめなのが、ADAが取り扱う”山水石”と”黄虎石”、あるいは類似した種類の溶岩石”と”気孔石です。

これらの石は水質の影響も少なく、初心者から上級者まで人気の石となっています。

※山水石や黄虎石はADA特約店でしか購入ができません。

⑤高水温・低水温

水温は22~28度が適温とされており、25度前後にしておけば水温が原因で大きな問題が起こることはあまりありません。

しかし水温が18度以下や30度以上になると、水草の成長が一気に遅くなり、いくら栄養を与えたり光量をあげたりしても無意味になってしまいます。

室温で水温を管理できれば1番コストもかからず楽かもしれませんが、室温管理が難しい場合は器具を使っての管理が必要になります。

水温が低い場合

水温が低い場合には、水槽用のヒーターを使用します。

水槽用のヒーターには、水温を上げるためのだけの機能を持ったヒーターと温度感知してヒーターのon・offを行うサーモスタットがあり、この2つをセットにして使います。

ヒーターだけ使っても温度を上げ続けてしまうし、サーモスタットだけ使っても温度を上げることができないため、必ず両方を用意して使いましょう。

1番簡単なのはヒーターとサーモスタットがセットになった水槽用ヒーターを使用することなので、信頼できるメーカーの水槽用ヒーターを使用しましょう。

水温が高い場合

一般的に水槽の水温を上げるより、下げる方が大変です。

水温が高い場合は冷却ファンや水槽用クーラーで管理できますが、水槽用クーラーは結構高価であることもあって冷却ファンで暑い時期を乗り越える方の方が多いようです。

まとめ

水草を美しく育成するためには、十分な光量・CO2添加・栄養・水質・水温の5つが非常に重要で、どれか1つでも上手くいかずにバランスが崩れると水草の不調を起こしてしまいます。

水草の不調には必ず原因がありますので、まずは毎日の観察や環境見直しを行い、原因を突き止めましょう。

原因さえわかれば、あとはこの記事で解説したような対策を行ってもらうと調子が上がると思いますので、水草の復活を目指して頑張ってください。

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