アクアリウムやテラリウムなどに使用する石の選び方がわかるように種類や特徴、注意点などを解説していきます。
石選びのための3つのポイント
水槽に使う石選びには、”石の形”・”石の色”・”水質への影響”の3つを確認することで、失敗のない石選びをすることができます。
中でも水質への影響は重要であり、下記で紹介する龍王石や青華石などはpHや硬度を大きく上昇させてしまい、多くの生体や水草を弱らせてしまう場合があります。
特に初心者の方は、水質への影響を気にせずに石を選んでしまい、生体や水草が弱ってしまうというトラブルにも繋がってしまいますので、水質への影響は必ず確認してから使うようにしましょう。
アクアリウムにおすすめの石
- 青華石
- 龍王石
- 白流石
- 風山石
- 気孔石
- 木化石
- 溶岩石
- 山水石
- 輝板石
- 黒甲石
1.青華石(せいかせき)
青華石は、名前の通り青みがかったグレーの石が特徴で、渓谷のような雰囲気のレイアウトにしたい場合におすすめです。
ただし、pHや硬度をかなり上げてしまうため、弱酸性の軟水を好む多くの水草や生体たちは調子を崩してしまいます。
逆に、シクリッドやキューブパールグラスなどの魚・水草はアルカリ性寄りの高硬度を好むため、青華石との相性は良いです。
2.龍王石(りゅうおうせき)
ADAが使っていたことで人気の龍王石ですが、別名は青華石や青龍石とも呼ばれ、見た目の特徴は同様となっております。
また、pHや硬度も上げてしまうため水質管理には注意が必要であり、少量の龍王石の使用なら換水で調整できますが、本格的に石メインでレイアウトを組む場合は水質調整の難易度はかなり上がってしまいます。
龍王石や青華石などの違いについては正直わかりません。
3.白流石(はくりゅうせき)
白流石は、黒い石に白の流れるようなラインが特徴で、水質への影響は少ないため換水などを行えば多くの熱帯魚や水草は問題なく育成できます。
乾いた状態では青華石などにも似ていますが、水槽内では黒っぽく見え、水質への影響が少ない分白流石は使いやすいかと思います。
4.風山石(ふうざんせき)
風山石は、ゴツゴツした見た目が特徴で、水質への影響は比較的少ない石です。
その特徴からも岩組レイアウトとしておすすめの石で、落ち着きのある雰囲気を作り出してくれます。
5.気孔石(きこうせき)
気孔石は、別名黄虎石や蜂炎石とも呼ばれ、気孔のような穴が空いているのが特徴です。
見た目は明るい茶系の色をしており、水質への影響がかなり少ないため石をたくさん使っても大きな心配はいりません。
おしゃれなレイアウト素材かつ使いやすさも抜群のため、おすすめとなっています。
6.木化石(ぼっかせき)
木化石は、数千万年以上前の樹木が化石化した石で、木目などを確認することもできます。
また、元々樹木であったため他の石よりも軽く、水質への影響はかなり少なくなっています。
7.溶岩石(ようがんせき)
溶岩石は、表面がざらざらした黒いボディが特徴の石で、水草が活着しやすく、水草水槽によく使用されています。
また、水質への影響も非常に少ないため非常に扱いやすい種類の石となっています。
溶岩石はウィローモスなども巻きつけやすいため、水草水槽を管理している方には非常におすすめとなっています。
8.山水石(さんすいせき)
山水石は、ADAが使用していたことで人気の火山石で、水質への影響も非常に少ないです。
また、表面はざらざらしており、水草の活着もしやすいことからレイアウトにも使いやすい種類です。
黒い見た目がかっこよく、水質の影響もほとんどないため私も愛用しています!
山水石はADA販売特約店でしか入手できないため、入手が難しい方はよく似た溶岩石を使用するか、メルカリなどで購入するのが良いかと思います。
9.輝板石(きばんせき)
輝板石は、薄く平らな板状になっているのが特徴で、積み重ねていくことで遺跡のようなレイアウトを作ることができます。
また、名前の通り光の当たり方によってきらきらと輝くのも魅力となっています。
水質への影響も少ない方ですが、大量に使用する場合には若干pHや硬度の上昇が見られる場合もありますが、青華石などに比べればかなり影響は少なく、十分管理できる範囲です。
10.黒甲石(こくこうせき)
黒甲石は、輝板石のように板状の形になっており、黒いボディが特徴となっています。
板状の石を使ったレイアウトにしたい場合、明るい印象にしたい方は輝板石、黒い石でかっこ良いレイアウトにしたい方は黒甲石を使用すると良いです。
水質への影響が大きい石
水質への影響が特に大きい石は、青華石、龍王石、青龍石です。
この3種は別名として売られており、どんな違いがあるかは正直わかりませんが、いずれもpHや硬度を大きく上昇させてしまいます。
水質への影響が少ない石
水質への影響が特に少ないのは、気孔石、木化石、風山石、溶岩石、山水石です。
この5種は石の中でも特に水質への影響が少なく、石組みレイアウトを組んでも換水やソイルなどの効果によって大きな問題になることはあまりないでしょう。
ただし、水質に与える影響は0ではないため、大量に使えば使うほど水質への影響が出てしまう可能性はあります。
参考までに、下記の画像は山水石でレイアウトを組んだものですが、換水やソイルなどの影響によって水草に影響が出るほどのpH・硬度の上昇は見られませんでした。
石を使う時の3つの注意点
- 水槽の破損
- 水質の変化
- 生体の怪我
石を使ってレイアウトを組む場合は、上記の3つに気をつける必要があります。
1.水槽の破損
石を使ってレイアウトを組むときは、水槽を破損しないようにしっかり安定させてレイアウトを組む必要があります。
不安定な状態で石を積み上げてしまうと、地震などがあった際に石が崩れて、最悪の場合水槽が破損してしまう場合もあります。
事故までにはならなくても、水槽の壁面に石がぶつかると傷がついてしまいますので、しっかり安定させて石を組むように注意しましょう。
2.水質の変化
水質 | 解説 | 理想数値※ |
pH(水素イオン濃度) | 数値によって酸性~アルカリ性を示す | 6.0前後(弱酸性) |
KH(炭酸塩硬度) | この数値が低いとpHが下がりやすい | 3°dh以下 |
GH(総硬度) | 軟水・硬水の判断 | 3°dh以下(軟水) |
NO2(亜硝酸塩) | 生体に有害な物質 | 0mg/Lに近い程良い |
NO3(硝酸塩) | NO2が分解されたもので毒性は下がる | 0mg/Lに近い程良い |
CL2(塩素) | 水道水に含まれており熱帯魚やバクテリアに有害 | 0mg/Lに近い程良い |
石を使う上で水質への影響は非常に重要なポイントになります。
pHや硬度が高くなってしまうと、多くの水草は成長速度が著しく低下し、コケの被害も多く受けてしまいます。
また、葉は小さくごわごわした感じの状態になり、明らかに不調であることがわかるようになります。
硬度が4°dh以上になると不調サインが見られ、7〜8°dh以上にもなるとほぼ成長が止まる勢いになります。(弱酸性の軟水を好む水草の場合)
硬度が7〜8°dh以上になるのは青華石や龍王石系の石を大量に使った場合になり、水質に大きな影響を与えない種類の石を大量に使ってもここまで上昇することはありません。
既に石を使っている方で「よくわからないけど水草の調子が悪い」と感じている方は、pHや硬度が上昇している可能性がありますので一度水質チェックをしてみると良いでしょう。
pHや硬度への影響を確認するには、水に1秒浸けるだけで確認できるテトラの試験紙があり、複数の項目を安価でできるので手軽に行う方法としておすすめですので、水槽を管理していく上で1箱は持っておいて損はないかと思います。
3.生体の怪我
石は自然なレイアウト作りに重要な素材となりますが、尖った石や十分に泳ぐスペースを確保できないくらいの量の石を使ってレイアウトを組むと、生体の体に石が引っかかってダメージを受けてしまう場合があります。
そのため、石を使う際は生体の特徴を把握しつつ、尖った石は削ったり、水槽サイズの合った石の量を使うなどをして、生体の安全を考えてレイアウトを組むようにしましょう。
石組みレイアウトの5つのポイント
- 石の種類は統一する
- 大中小のサイズを用意する
- 基本構図に沿って石を組む
- 立体感を出す
- 隙間をしっかり埋める
綺麗な石組みレイアウトを作るためには、上記5つのポイントを意識することが大切で、立体感などを出すことで迫力のある水槽を作ることができます。
下記記事では写真付きでレイアウトの組み方を解説していますのでご興味ある方はご参照ください。
おしゃれ水槽に必要な条件
これから水槽を立ち上げようと考えている方は、下記記事でおしゃれ水槽を作るために必要な5つの条件を解説しており、レイアウト構図やおしゃれアクア用品なども紹介していますので参考にしていただればと思います。
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