水草が”白化”してしまう4つの原因と解決策を紹介していきます。正しく理解していただければ改善できる内容となっています。
白化の原因
葉緑体などの色素が生成できない状態になってしまい、葉が白くなってしまう状態のことを”白化”といい、水草を長期育成していると経験することもある症状です。
白化の原因として主に”適応外の水温”・”水質が合わない”・”栄養不足”・”過剰な栄養”の4つが疑われ、共通して言えるのは光合成が十分に行われていないことにあります。
よく「栄養不足なので栄養を添加しましょう!」で済ませてしまうサイトも多いですが、一概に”栄養が不足しているので栄養素の添加”というのを鵜呑みしても改善されるとは限らず、場合によっては悪化してしまうこともあります。
たしかに栄養不足も原因の1つではありますが、全てに共通して言える原因・解決策ではありませんので、ご自身の水槽状態を把握することがなによりも大切になってきます。
それを踏まえた上で、白化する原因やその解決方法の例を紹介していきます。
白化の4つの原因と解決方法
- 適応外の水温
- 水質が合わない
- 栄養不足
- 過剰な栄養
1.適応外の水温
水草の水温は22〜28度前後が適温とされており、この範囲外になると調子を崩しやすくなってしまいます。
特に私の経験からすると18度以下になったときは著しく成長が悪くなってしまいますので、室温で水槽管理ができない場合は、ヒーターや冷却ファン等で調整する必要があります。
水温が低い場合
水温が低い場合には、水槽用のヒーターを使用します。
水槽用のヒーターには、水温を上げるためのだけの機能を持った”ヒーター”と温度感知してヒーターのon・offを行う”サーモスタット”があり、この2つをセットにして使います。
ヒーターだけ使っても温度を上げ続けてしまうし、サーモスタットだけ使っても温度を上げることができないため、必ず両方を用意して使いましょう。
1番簡単なのはヒーターとサーモスタットがセットになった水槽用ヒーターを使用することなので、下記製品のような機能的で信頼性の高い水槽用ヒーターを使用しましょう。
水温が高い場合
一般的に水槽の水温を上げるより下げる方が大変であり、あまりにも水温が上がりすぎると水草だけではなく、熱帯魚やエビたちが弱ってそのまま…なんてこともありますので夏場は注意が必要です。
水温が高い場合は冷却ファンや水槽用クーラーで管理できますが、水槽用クーラーは結構高価であることもあって冷却ファンで暑い時期を乗り越える方の方が多いようです。
2.水質が合わない
水質 | 解説 | 理想数値※ |
pH(水素イオン濃度) | 数値によって酸性~アルカリ性を示す | 6.0前後(弱酸性) |
KH(炭酸塩硬度) | この数値が低いとpHが下がりやすい | 3°dh以下 |
GH(総硬度) | 軟水・硬水の判断 | 3°dh以下(軟水) |
NO2(亜硝酸塩) | 生体に有害な物質 | 0mg/Lに近い程良い |
NO3(硝酸塩) | NO2が分解されたもので毒性は下がる | 0mg/Lに近い程良い |
CL2(塩素) | 水道水に含まれており熱帯魚やバクテリアに有害 | 0mg/Lに近い程良い |
水草の多くは”弱酸性〜中性の軟水”を好みますが、このpHや硬度が高くなってしまうと水草の成長が著しく悪くなり、十分な光合成ができなくなってしまいます。
そのため、まずは水質を測定しpHや硬度(GH)、KH(炭酸塩硬度)等が上昇しすぎていないか確認しましょう。
水質を知る
水槽の水質を知るためには水質測定する必要がありますが、おすすめは水に1秒浸けるだけで複数の項目を確認できるテトラの試験紙で、専用アプリを使うことでその日の水質を記録しておくこともできます。
水質を知ることは非常に重要なことですので、比較的安価なテトラの試験紙を持っておいて損はないかと思います。
水質を測定した結果、pHや硬度等が高すぎた場合は、pHや硬度が上げてしまう要素を取り除く必要があります。
pH対策
- ソイルを使用する
- pH調整剤を使用する
ソイルには栄養面だけではなく水質を弱酸性に傾ける働きがあるため、水草の好調をキープしやすい特徴があります。
ただし、弱酸性に傾ける働きは数カ月で失ってしまうのが一般的ですので、長期間使用したソイルの場合はソイルの交換や注ぎ足しを行うようにしましょう。
また、一部地域の水道水ではpHや硬度が高く、換水によって調子を崩してしまうことがあるため、換水時にはカルキ抜きと同じようにpH調整剤を使用して水質を調整すると良いです。
硬度対策
- 硬度を上げる石や底床を使用しない
- 硬度が高い地域では換水を控える
硬度が高い時の1番の対策は、硬度が上がる原因を行わない事です。
硬度が上がる原因は、石や砂利、サンゴ、貝殻等を使用している場合や、水道水のpH・硬度が高い地域で換水を行う場合に多くあります。
そのため、硬度を上げる石を使ってレイアウトを組んだりすると管理がかなり難しくなるため、どうしても石組レイアウトをやりたい場合には硬度をあまり上げない石を使うようにしましょう。
3.栄養不足
栄養不足が原因で白化している場合、1番難しいのはどの栄養素が不足しているかを特定することです。
この不足した栄養素の特定は非常に難しいため、簡単なのは換水を多めに行って栄養分を減らし、バランスの取れた栄養素を液肥などで追加してあげる方法です。
換水と液肥でバランス調整
おすすめはアクアテイラーズが出す”エレメントカラー グリーンA”と”エレメントカラー グリーンB”というかなりコスパが良い液肥です。
エレメントカラー グリーンAには、水草の育成に重要とされる3大栄養素(窒素・リン・カリウム)やカルシウム、ビタミンC、マグネシウム、鉄、亜鉛、モリブデン等が理想的に配合されており、グリーンBの方には、欠乏を起こしやすい鉄分、モリブデン、マンガン等の重要な微量元素がバランスよく配合され、さらには水槽の過剰な栄養塩を水草に効率よく吸収させる働きがあります。
この2種類の液肥を添加することで栄養不足を改善し、より水草を元気に育成していくことができます。
4.過剰な栄養
栄養不足の問題を指摘しましたが、実は栄養素には拮抗作用があり、一部の栄養が多過ぎると他の栄養素が欠乏してしまうことがあります。
例えば、液肥添加などによってカリウムが過剰に多くなると、マグネシウムやカルシウムなどが欠乏状態になってしまい、逆にマグネシウムが多いとカリウムが欠乏状態になってしまいます。
そのため、ネットの情報を鵜呑みにして「不足しやすいカリウムを添加!」などを行ってしまうとさらに悪化してしまう可能性がありますので注意が必要です。
たしかにカリウムの添加は水草の調子を上げるには非常に有効な方法ですが、大事なのは栄養のバランスですので、上記の栄養不足について解説したように換水で栄養を減らし、栄養がバランスよく配合されたエレメントカラー グリーンA,Bの添加が有効的です。
不調には必ず原因がある
- 適応外の水温
- 水質が合わない
- 栄養不足
- 過剰な栄養
白化など水草の不調には必ず原因があり、いかにその原因を特定して対応してあげるかがポイントとなります。
今回紹介した内容はよくある水草育成の不調原因となっており、大抵はこの原因を解決してあげることで改善されることがほとんどかと思います。
不調原因ではありますが、逆にこのポイントをうまく抑えれば美しい水草に育成することができるようにもなりますので、水草を育成している方はぜひ頭に入れておいてほしいと思います。
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それらを踏まえて、1ヶ月で黒髭コケを完全消滅させた方法を下記記事にて紹介していますので、詳しくはそちらをご参照ください。
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